アーカイブ

2015年09月

カテゴリ:

ひみつの呪文でつくったの

小さなかわいい反転ドーム


凪よりしずかな きんぴか色は

焼かれて硬く動かない


甘くて甘いきらきらの

舌をまどわす魔法の世界


透明色の魔法のさじで

しずかな海に 山をなす


茶色いマグマがとろとろと

果ての底からあふれ出し…


わたしは それを ぺろりとぜんぶ

神話みたいに 食べちゃうの


なめらか! だけど ざらり...としたわ

きっと秋の王が目覚めたせい


脳をとろかす午後の半夢

くたびれたわたしを うんと褒める

カテゴリ:

ベランダのクロックスにカマキリがいた。

6本脚でゆっくりと移動し、そばの窓へひょいと渡った。その枠をのぼり出した。

足場も取っ掛かりもないのに、器用なものだなあと、私はしみじみ感心し眺めていた。

睫毛のようなものの生えた細枝みたいなその脚の先を、そのつるりとした窓枠に留めるのには、きっと何か魔法めいた引力がはたらいているに違いないのだ。

カマキリは、せっせ、せっせと登つてゆく。

上まであがったところで、なんにも無い。上階のベランダが阻むだけだ。

それでもやっと上にまでたどり着き、案の定、何ひとつおもしろいことのないのに気づいたらしいカマキリは、

またのろのろと、ガラスをつたい降りてきた。

私は猫とともにそれを見守っていた。ふと、ヘッセの短編を思い出した。

そうかお前も、“なさざるを得な”かつたのか。私は非常に得心し、そして共感した。

ただ、それだけなのだ。カマキリも、私も。

そこに意味はあるのか、ないのかは、さておき。

このページのトップヘ

見出し画像
×