カテゴリ:

かげろう ゆらめく

翡翠のうえで

アルファベットが 踊る夜

まどろむ視界の ゆき先は?

解放の予感 たじろく悪夢


天国と浄土のていじろで

結んだ小指を絡めては 離す

いたずらな時の終わりまで

君はどこまで 居てくれる


星の生まれる泉にひたり

波押されるよに たたずんで

朽ち果てるまで 眠ってたいのに


灼熱た素肌を導くロバが

「好きになさい、」と

やさしく 言った。

カテゴリ:

ひみつの呪文でつくったの

小さなかわいい反転ドーム


凪よりしずかな きんぴか色は

焼かれて硬く動かない


甘くて甘いきらきらの

舌をまどわす魔法の世界


透明色の魔法のさじで

しずかな海に 山をなす


茶色いマグマがとろとろと

果ての底からあふれ出し…


わたしは それを ぺろりとぜんぶ

神話みたいに 食べちゃうの


なめらか! だけど ざらり...としたわ

きっと秋の王が目覚めたせい


脳をとろかす午後の半夢

くたびれたわたしを うんと褒める

カテゴリ:

ベランダのクロックスにカマキリがいた。

6本脚でゆっくりと移動し、そばの窓へひょいと渡った。その枠をのぼり出した。

足場も取っ掛かりもないのに、器用なものだなあと、私はしみじみ感心し眺めていた。

睫毛のようなものの生えた細枝みたいなその脚の先を、そのつるりとした窓枠に留めるのには、きっと何か魔法めいた引力がはたらいているに違いないのだ。

カマキリは、せっせ、せっせと登つてゆく。

上まであがったところで、なんにも無い。上階のベランダが阻むだけだ。

それでもやっと上にまでたどり着き、案の定、何ひとつおもしろいことのないのに気づいたらしいカマキリは、

またのろのろと、ガラスをつたい降りてきた。

私は猫とともにそれを見守っていた。ふと、ヘッセの短編を思い出した。

そうかお前も、“なさざるを得な”かつたのか。私は非常に得心し、そして共感した。

ただ、それだけなのだ。カマキリも、私も。

そこに意味はあるのか、ないのかは、さておき。

カテゴリ:

ねこの門番に合言葉

「プラム オオムギ ユーチャリス

 キベルネテス パラ・メタ・オルト」

重厚(おもた)い水が

ひらかれたなら

真珠光沢の蝶がまい

おとぎの森が 指を鳴らす

「ようこそ おひさしぶりですね」

精霊(フィトンチッド)が ひそひそ こそり

「さ! 基礎生産のじかんです」

「ヒトの概念は超越しましょ」

「エゴイストなのは 虫も君も僕も おなじさ」

ほうそく 真理も 脱ぎはらい

時辰儀の盤をぎゃくまわり

泣きながら笑い 笑いながら怒り

怒りながら歌い 歌いながら泣く


ここがちいさな匣(ラボ)だとしても

鎖につながれたとしても

ねこの門番はわたしの味方

楽園ひとりじめ すべてはわが手に!

カテゴリ:

ゆるゆる ぽちゃん

うみのなか

まっくらがりより

くらいあお

もくもくもくと

しずんでく


とおざかってゆく

ひかりのなかで

かげえあそびと

かくれんぼして

あぶくのなかで

てをのばす


きみはしあわせ?

あたしには

すこしだけ かわいそうにみえる


からくりじかけの

さかなたち

かこも まぼろしも

ぱたぱたと

こまかく ちぎれてしまうから

(このよにつみがあるのなら

きっとこんなかたちをしてる)


からっぽのきみを

うめるうみ

くらいあおに

あたしもなりたい

カテゴリ:

世界樹が、バルコンを

おおいつくした。


枝がのび、のうみその、いちばんやわいとこを

なでる。


しゃらんしゃらん と、

かあいい音がする。


神は石ころであった。

それはわたしの世界である。



「あー……

 これが、世界のことわり。

 これが、世界のことわりなのね

 これが、世界の…



 …ねぇ、聞いているの?



 ねぇってば!!」




猫は、そしらぬ顔で寝ている。

カテゴリ:

かわいい 火の玉

ばちばちと

小舟に乗って

流れてく。


雨の小川はどこまでも

胸の夢想をつむぐので

わたしは地面に頬をつけ

光ゆくのを ながめていよう。


わたしのちいさな

たましいの

ゆくえ。

カテゴリ:

かなしみの日々は すぎぬ

あらしの夜は 去りぬ


いまはたゞ

焼かれ うばゝれ尽くした地で

芽ぶく ひとつの

渺乎たる双葉を 慈(いつ)


四辺に見える他の島の

富麗をそねむ気もちも あれど


いはれもなく 意味もなく

……

私は生まれ そして生きてきた


錆び色のおもひ出は

はや 悠遠

カテゴリ:

いなづま 駆けてく

まっすぐ そらまで

プルシャンに散る星々が

燃え死ぬまでは

笑っていよう

(涙はしまって)


するどいひかり

消える世界

落ちゆく神々の かけら……


"断ち切れるものなら"と

たれかが云った

このページのトップヘ

見出し画像
×