カテゴリ:

尺を満たして 出口に逃げ込む


出むかえる すらり黒ずくめ

おかえりなさい慈しみの地へ

ここでは たれにも邪魔はされませぬ

どうぞゆっくりとおくつろぎを


お菓子のおうちにご案内

ぼろの衣は脱ぎ捨てて

泥にまみれた肌を洗う

細った体に詰め込むは

古今東西の美味れい酒

羽毛のベッドに横になり.....


眠りに就いて

もう 夢は見ない

カテゴリ:

どうせ忘れる命なら

悲しみと共に

奏でるワルツは9番で


ノクターンよりも堂々と

ファンタジアよりも軽やかに

バラードよりもいさぎよく

とわの別れをつげましょう



どうせ忘れぬ命なら

悲しみも捨てて

奏でるワルツは9番で


現実も明日も他人まかせ

過去も未来も音符にまぜ

胸の綿香に 頬をうずめて

はてぬ思いを吐露します




鍵盤のように つらなる無

去っては戻り とどまって

ときおり胸を 激しくえぐる

さよならみたいに 優しいロンド

カテゴリ:

ゆ庭に戯むる

神祇(かみがみ)の

はづむ踵(かかと)の

しやなりと鳴つて


滴 落ちたる

池の満ち足る


夜を潤びらす

憂ひはすべて

いつか 水底(ほおつち)に吸ひ取られ

のこりたるは ただ

浄き 水明り

カテゴリ:

かの土をにぎりしめ 睡る


きみを追つて ただよふ

泉下のぬるし海は 母のなかのやう

いかな境界も よるべき綱もない

(其がきみの さいはひかは 知らねども)……


追へども 追へども……

その背は

とほく とほく

うすれゆく


目寤めれば

土も

はかなく 失せて

だのに 夜さりには 亦 土を抱く


薤露(なみだ)の

尽きることはなく


ただ 会ひたいといふだけで


かの土をにぎりしめ 睡る

つつがなきごせをと ひとへに 願ふ

カテゴリ:

月の絵本をひらいたならば

きらきら お星がはじけとび

クリーム色のまん中から

かたこと はしごが降りてくる


琥珀のシルエット

つややかシルクハット

たわやかなテノール

伸べられた誘い

手をとって

夜空色の小舟で

甘い嘘の川をゆく


“きれいはきたない

 きたないはきれい

 にせものはほんもの

 うそはうそ”……


でたらめな魔法と 華言でいいの

数字のないところまで

二度と帰れないところまで

連れて行ってね


チョコレートがとけるみたいに

まどろむ意識

消えゆく ぬくもり……


銀色の時の 終わりを覚(し)るの



最後のページをめくるとき

あなたはわたしにキスをして

いちばんやさしい嘘をつく


のこった香りにひたりつつ

絵本を閉じたら


おやすみなさい.....

カテゴリ:

夢見のうさぎを追踪(おひかけ)

気づけば天照る坂をゆく

(たくさんのものを失つて たくさんのものを手に入れた)

玻璃(ガラス)の砂を踏みしめば

流るゝ銹(さび)も栞(しをり)となりて

惑ふ世路(せいろ)も正路(せいろ)と変はる

(欲しかつたものは 全て手にした)

頬をつたはる夢中の日の滓(おり)

されど行くすゑの さぞ きらめくらん!

(だから 歩いてゆく 豊かな光の中で)

さやうなら労甚(らうた)し芳年の夢

カテゴリ:

青い眸(ひとみ)を覗いてみれば

終わりの原が現れる


やわい果実を踏み潰すよに

高くから顛落(おち)る小鳥みたいに

まどやかな輪環に果てる


眠るように

耳を澄ます


どこからか ややの細き声

その先に見える、あれは、

むかし私が失くした願い。

君が呉れた祈り。

カテゴリ:

今日は12月1日、

グレープフルーツの歌をうたう。

2日にはジャンプして、

3日と4日はおやすみで、

2日にまたジャンプ。

その次は8日で、

はちみつを取りに行くんだったね。

9日・10日はおやすみ。

16日はお月見の木の下で眠るから、

24日にまた会おう。

カテゴリ:

うんざりと

あたまをもたげる

朝の水脈(みお)

伝わらぬことにつかれて、今日は

音なき世界の片すみで

蚕みたいに糸を吐き

変わらぬものに

疎きをたくす


退屈を纏う


もういちど 眠る

カテゴリ:

暖炉の炎は消していい

吐息は退紅(べに)より白がいい

温く熟した果実より

凍えた小粒のほうがいい

赤いタータンチェックより

スモーキーブルーがあたたかい


雪づみの傷は まだ消えぬ

このページのトップヘ

見出し画像
×