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紡ぎ合う

繋ぎ合う

偽り合う

指をからめ

終わらないごっこ遊び

警告は鳴らず

ほんとうのうそが踊る

青い影のいたずらに

惑わされ

背き合い

求め合う

足をからめ

なぞるのはおとぎ話

警告は鳴らず

でまかせのうそが並ぶ

青い影の優しさに

ほだされて

恨んでは

愛を吐く

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さぁ嘘をつきましょう

うさぎさん たぬきさん、集まって

すみれのシャンデリア

きらり、パーティー


一番じょうずな人が勝ち

かわいくキスして

甘く砕けたことば

とろけたショコラ

ああファンタジー…


まぼろしはサファイア

ダイヤより重たい

だから吐けるのよ

ジュテーム、ジュテーム


一番じょうずな人が勝ち

はげしくキスして

苦く弾けることば

とろけたショコラ

ああミステリー…


でたらめなデザイア

永遠より軽い

だから吐けるのよ

ジュテーム、ジュテーム

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きらきら六角形

ふわふわしてる

君の夢を見たの

七色の鳥が舞う

虹の架け橋で

ゆびきりをした

先に行ってしまわぬように

君は小さく笑ってうつむいた

ハミングバード

17の夕日

背伸びして駆けても

太陽には届かないよって

私たちみんな知ってた

ハミングバード

髪を結んで

同じに夢見ても

君のこと好きじゃないよって

ぽろり泣きながら


夢見るふり

分かったふり

でもちゃんと分かってた


七色の鳥が舞う

虹の架け橋で

ゆびきりをした

先に行ってしまわぬように

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私はもう死にました

今は深い深い鍾乳洞の奥底で

冷たい岩壁に包まれて

ぽとりぽとり落ちるしずくが奏でるノクターンに

耳を傾けながら

濃紺の闇が生み出す途方もない宇宙を旅し

メルヘン色の可愛いあぶくをぷくぷくと口から吐いては

あくびが出るような長い一瞬を

深い眠りで飾っているのです

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黄金色のキツネが言った

「野ばらの園は、そのすぐ先だよ」

紺碧の瞳は チョッキとおんなじ色

遠く近く 響く潮の音

キツネ、ぴんと尻尾をのばし

「でもそこに着くまでに、海を渡らなきゃ」

私、花の密を吸いたいだけよ。

「そんなもんじゃない」

チョッキの青が 波立って

「大きな花束をもらえるよ」

なんてね

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[↓現代かな遣い版]

 八月も終はりに差し掛かつてなほも暑気が和らぐことはなく、今日も近所の小さな川などは干上がつてしまひさうなほどの日差しと気温が市中に満ちてゐた。

 私は奥の一番涼しい部屋で寝ころがり、団扇を仰ぎ仰ぎどうにか暑さをしのいでゐた。

 すぐそこの縁側などは太陽を真向から受けて、今にも焼け焦げ、燃え始めさうである。ついでに、それを見ているだけで己まで焼かれるやうな錯覚にも至り、それだけでも参つてしまふ。

 その時、不意に家内が足音もなく、ひよい、と障子から顔を出したので、咄嗟に身を起こし文机に向かふ、さも今まで仕事を続けてゐたかのやうに見せる。

 勘のよい女ならすぐさま気づいて窃笑でもするのだらうが、この妻は幸か不幸か少々魯鈍(ろどん)なたちで、それが私には時に煩はしく、時に愛敬づいた美点として映るのであつた。

 それで家内は、何を気にするでもなく、

「先ほど編集の佐藤さんがいらしつたけれど、今ちやうどお仕事中ですとお伝へしたら、お邪魔をしてはなんだからと言つて、“これ”だけ置いてお帰りになりました。こちら、差し入れですつて」

 私は一寸したばつの悪さから、顔をそちらにくれてやることもなく、

「そうか。ぢゃそこへ置いておいて呉れ」

 家内は素直に従い、またしづかに居間のはうへと戻つて行つた。

 しばらくし妻が行つたのを見計らつて、初めてそつとそちらへ視線を向けぎよつとする。

 それは新鮮な果物が盛られた籠だつた。しかも何やら見たこともない種のもの許り。恐らく遠来の品だらう、毒々しいほど鮮やかな色をしたもの、ごつゞゝと奇妙な形をしたものもある。きつと相当に高価だつたに違ひない。こんなものを置いていくからには、多分今日は原稿の催促などではなく、そのうち個人的な頼み事でもする算段でのことだつたのであらう。

 それより、こんな食物を、主人に言はれたからと言つてこの真夏の炎天下の縁側へそのまゝ置いておく家内の神経も如何なものか。が、あの女ならば仕方あるまいとも思つて了う己がゐる。

 私自身どういふ気の迷ひか、それをあへて涼しいところへはやらず、そのまゝ放置することにした。

 じりゞゝと焼き付ける油照りの中、当然時が経つに連れ、それらは次第に変易し始める。まだ青みを帯びてゐた黄色き果実は、恥じらふやうにほのかな赤みを見せ出す。瑞々しく弾けさうだつた陳皮が、段々と乾き、萎れ、生気を失つてゆく。まだ硬く歯ごたへがあつたはずの果肉はどれも、ずぶゞゞとたゞれ、一部はもはや粥のやうになる。

 鮮やかな色彩は茶色に濁り、更にそこを越へると、実際には未だ見たことはないものの、どす黒い幽世じみた色に染まつてくる。

――これは、人だ。

 と思つた。否違ふ、『死』。

 人の『死』と同じだ。

 まるで人の肉が腐り、爛壊して土に還つてゆくやうに、それらもまた熟み、糜爛し、うぢやけてゆく。――


 はつとして空を見あぐれば、とうに日は傾き、橙色の空では烏がカアヽヽと軽佻に啼いてゐる。

 涼しい風が、縁側をすり抜け私の両頬を掠つていつた。

 すつかり見入つて了つてゐたらしい。私は、たつたいま南柯(なんか)の夢から覚めた淳于棼(じゆんうふん)のごとく、ぽかんとしたまゝ、すでに食べられるところなどほとんどないそれを、改めて凝視する。

――『死』。

 その過程は、それへ向ふその姿は私にとつて『美』であつた。そして同時に、『法悦』と呼ぶべきものでもあつた。



現代かな遣い版

 八月も終わりに差し掛かってなおも暑気が和らぐことはなく、今日も近所の小さな川などは干上がってしまいそうなほどの日差しと気温が市中に満ちていた。

 私は奥の一番涼しい部屋で寝ころがり、団扇を仰ぎ仰ぎどうにか暑さをしのいでいた。

 すぐそこの縁側などは太陽を真っ向から受けて、今にも焼け焦げ、燃え始めそうである。ついでに、それを見ているだけで己まで焼かれるような錯覚にも至り、それだけでも参ってしまう。

 その時、ふいに家内が足音もなく、ひょいと障子から顔を出したので、とっさに身を起こし文机に向かう、さも今まで仕事を続けていたかのように見せる。

 勘のよい女なら、すぐさま気づいて窃笑でもするのだろうが、この妻は幸か不幸か少々魯鈍(ろどん)な性質で、それが私には時に煩わしく、時に愛敬づいた美点として映るのであった。

 それで家内は、何を気にするでもなく、

「先ほど編集の佐藤さんがいらしったけれど、今ちょうどお仕事中ですとお伝えしたら、お邪魔をしてはなんだからと言って、“これ”だけ置いてお帰りになりました。こちら、差し入れですって」

 私はちょっとしたばつの悪さから、顔をそちらにくれてやることもなく、

「そうか。じゃそこへ置いておいてくれ」

 家内は素直に従い、またしずかに居間のほうへと戻って行った。

 しばらくし妻が行ったのを見計らって、初めてそっとそちらへ視線を向けぎょっとする。

 それは、新鮮な果物が盛られた籠(かご)だった。しかも何やら見たこともない種のものばかり。恐らく遠来の品だろう、毒々しいほど鮮やかな色をしたもの、ごつごつと奇妙な形をしたものもある。きっと相当に高価だったに違いない。こんなものを置いていくからには、多分今日は原稿の催促などではなく、そのうち個人的な頼み事でもするつもりでのことだったのであろう。

 それより、こんな食物を、主人に言われたからと言ってこの真夏の炎天下の縁側へそのまま置いておく家内の神経もいかがなものか。が、あの女ならば仕方があるまいとも思ってしまう己(おのれ)がいる。

 私自身、どういう気の迷いか、それをあえて涼しいところへはやらず、そのまま放置することにした。

 じりじりと焼き付ける油照りの中、当然時が経つに連れ、それらは次第に変易し始める。まだ青みを帯びていた黄色い果実は、恥じらうようにほのかな赤みを見せ出す。瑞々しく弾けそうだった陳皮(ちんぴ)が、段々と乾き、萎れ、生気を失ってゆく。まだ硬く歯ごたえがあったはずの果肉はどれも、ずぶずぶとただれ、一部はもはや粥のようになる。

 鮮やかな色彩は茶色に濁り、更にそこを越えると、実際には未だ見たことはないものの、どす黒い幽世(かくりよ)じみた色に染まってくる。

――これは、人だ。

 と思った。

 いや違う、『死』。

 人の『死』と同じだ。

 まるで人の肉が腐り、爛壊(らんかい)して土に還ってゆくように、それらもまた熟み、糜爛(びらん)し、うじゃけてゆく。――


 はっとして空を見あげれば、とうに日は傾き、橙色の空では烏(からす)がカアカアと軽佻(けいちょう)に啼いている。

 涼しい風が、縁側をすり抜け私の両頬をかすっていった。

 すっかり見入ってしまっていたらしい。

 私は、たったいま南柯(なんか)の夢から覚めた淳于棼(じゅんうふん)のごとく、ぽかんとしたまま、すでに食べられるところなどほとんどないそれを、改めて凝視する。

――『死』。

 その過程は、それへ向かうその姿は私にとって『美』であった。

 そして同時に、『法悦』と呼ぶべきものでもあった。

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波に揺れる朽ち木を つまさきで辿り

忘れ去られた唄

沈む夕陽

ああ この世界に一人なら

僕は海に咲く花だけを斎(いつ)こう


波に揺れる朽ち木を つまさきで辿り

どこまでも いつまでも

歌う夜空

ああ この世界に君もいるなら

僕は真実だけを告げよう


果てがないのは ここが小さな おくつき だから

わたつみの庭

紫に染まる空

こぼれる涙

悲しみも喜びもすべてが傷なら

けっして癒やされぬことを願おう


果てがないのは ここが小さな おくつき だから

わたつみの庭


紫に染まる空

死にゆく魂の声

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ひだまり

タータンチェックのベッドに

舞いおりた きみ

かわい テノール

こもれび色の はちみつ

ビスケットは カフェオレにひたして

うたう ソプラノ

やさし ユニゾン

あるきながら おとした銅貨を

もいちど ひろい

いとし日々が つなぐ

ちっぽけな未来

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きいろい鳥

ふわふわ

お空をとぶよ

ふわふわ

遠いところへ

ふわふわ

ふわふわ


流れるように

ふわふわ

雲のあいだを

ふわふわ

明日のむこうへ

ふわふわ

ふわふわ


まえを見すえて

ふわふわ

鳥はゆくよ

ふわふわ

み知らぬとこへ

ふわふわ

ふわふわ

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つめたい。


空がかげる

たれひとりいない町

夕焼け

錆色

すすきが泣いて

影法師だけが追いかけてくる

カンカン 遮断機

ランドセル

ともる灯

ちらぱら

窓あかり

よい香り

電信柱の陰にのがれて

泣く。

駆け出す



あきらめたのは

いらなかったからではなかった

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